Enterprise Manager Cloud Control 13c のアップグレード

今回は Enterprise Manager Cloud Control 13c Release 4 (13.4) を Release 5 (13.5) にアップグレードする。

あくまでも個人的な検証のため、本番環境への適用に適した手順であることを保証するものではない。

基本的には、以下のマニュアルの方法に沿って行う。

Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアップグレード・ガイド, 13cリリース5

マニュアル上にはアップブレードの前提条件としてごちゃごちゃと細かい説明がされているが、今回は一部の手順を端折って最低限の内容で済ませている。

Cloud Controlのアップグレードはアウトオブプレースのため、アップグレード前後でORACLE_HOMEなどのパスは以下のように変えることとする。いい加減な命名規則だが、あくまでも検証ということで。

アップグレード前アップグレード後
ORACLE_HOME/u01/software/em/middleware/u01/software/em/middleware2
インスタンスベース/u01/software/em/gc_inst/u01/software/em/gc_inst1

事前準備

EMKEYをリポジトリDBにコピーする。

/u01/software/em/middleware/bin/emctl config emkey -copy_to_repos
[oracle@em134 ~]$ /u01/software/em/middleware/bin/emctl config emkey -copy_to_repos
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c Release 4
Copyright (c) 1996, 2020 Oracle Corporation.  All rights reserved.
Enter Enterprise Manager Root (SYSMAN) Password :
<2022/09/25 10時54分11秒 JST> <Info> <Security> <BEA-090905> <起動パフォーマンスを向上するためにCryptoJ JCEプロバイダ自己整合性チェックを無 効にしています。このチェックを有効にするには、-Dweblogic.security.allowCryptoJDefaultJCEVerification=trueを指定します。>
<2022/09/25 10時54分11秒 JST> <Info> <Security> <BEA-090906> <RSA CryptoJのデフォルトの乱数ジェネレータをECDRBG128からHMACDRBGに変更しています。この変更を無効にするには、-Dweblogic.security.allowCryptoJDefaultPRNG=trueを指定します。>
<2022/09/25 10時54分11秒 JST> <Info> <Security> <BEA-090909> <構成されたカスタムのSSLホスト名検証実装を使用しています: weblogic.security.utils.SSLWLSHostnameVerifier$NullHostnameVerifier。>
The EMKey has been copied to the Management Repository. This operation will cause the EMKey to become unsecure.
After the required operation has been completed, secure the EMKey by running "emctl config emkey -remove_from_repos".

中央エージェントを停止する。

/u01/software/em/agent/agent_13.4.0.0.0/bin/emctl stop agent

言語関係の環境変数を英語に設定する(これをやらないと構成が失敗するため)。

export NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.AL32UTF8
export LANG=en_US.UTF-8

ソフトウェアのアップグレード

セットアップファイルは4つのzipファイルと一つの実行ファイルから構成されている。

これらを同じディレクトリに配置したら、インストーラの実行ファイルを起動する。

./em13500_linux64.bin

アップグレードする方を選択し、「Upgrade software only with plug-ins and Configure Later」を選ぶ。

前提条件のチェックは本来すでにクリアされているはずだが、警告が出る場合は対処を行う。

インストール先を選ぶ。

リポジトリデータベースに要件を満たさないものがある場合は修正する。

もともと選択していなかったプラグインの選択ができる。好みに応じて追加で選択してみる。

インストール終了手前で、rootユーザでスクリプトを実行する必要があるので言われたとおりに実行する。

ここまででソフトウェアのインストールは完了。続いて、画面にあるようにソフトウェアの構成作業を行う。

ソフトウェアの構成

起動中のOMSを停止する。

/u01/software/em/middleware/bin/emctl stop oms -all

リポジトリデータベースのオプティマイザ関連のパラメータを初期化し、再起動しておく。

alter system reset "_optimizer_nlj_hj_adaptive_join" scope=both sid='*'; 
alter system reset "_optimizer_strans_adaptive_pruning" scope=both sid='*';
alter system reset "_px_adaptive_dist_method" scope=both sid='*';
alter system reset "_sql_plan_directive_mgmt_control" scope=both sid='*';
alter system reset "_optimizer_dsdir_usage_control" scope=both sid='*';
alter system reset "_optimizer_use_feedback" scope=both sid='*';
alter system reset "_optimizer_gather_feedback" scope=both sid='*';
alter system reset "_optimizer_performance_feedback" scope=both sid='*';

構成を実行する。

/u01/software/em/middleware2/sysman/install/ConfigureGC.sh

リポジトリデータベースの前提条件チェックで引っかかる場合があるので、[Auto Fix] で自動修正する。

警告は残るが、ここでは先に進むことにする。

これでOMS自体のアップグレードと構成作業は終了。

中央エージェントのアップグレード

Cloud Controlをアップグレードしても、インストール済みのエージェントは自動ではアップグレードされないので、手動でアップグレードが必要になる。ここでは、OMS上にインストール済みの中央エージェントのアップグレードを行う。

古いエージェントを起動する。

/u01/software/em/agent/agent_13.4.0.0.0/bin/emctl start agent

EMの画面上から、[設定] → [Cloud Controlの管理] → [エージェントのアップグレード] を選択する。

「アップグレードするエージェント」欄で[追加]を押下し、アップグレード対象のエージェントを選択する。

[送信] を押下するとアップグレードが始まる。

アップグレードが終わるとステータスは完了状態となる。

古い中央エージェントを削除

エージェントをアップグレードした後に残る古いエージェントもEM上から削除可能。

[エージェントのアップグレード] 画面から、[エージェントのアップグレード後のタスク] を選択し、「クリーンアップのエージェント」欄で古いエージェントを選択する。

[送信] ボタンを押すとクリーンアップのジョブが発行される。

ステータスが「成功」になれば古いエージェントの削除は完了。

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