半年ほど前に組み上げた、Ryzen 3 2200Gの自作機。
実用上不満があったわけでは無いのだが、Ryzen 3000番台の発売が近づいているためか、2000番台の価格がだいぶ下がっていることと、セット割りでメモリが安く手に入るということで、ついポチッと。
CPU交換前の準備
このPCは、CPU内蔵のTPMを使ってBitLockerでシステムドライブを暗号化している。
そのため、CPUを交換すると暗号化を解除することが出来なくなってしまう。
厳密に言うと回復キーを入力すれば暗号化は解除できるのだが、わざわざ印刷してある回復キーを探し出して、32桁もあるキーを入力するのはちょっとめんどくさい。
実は、BitLockerは「保護の中断」という操作をすることで、TPMが切断されていたとしても、次回の再起動時に回復キー不要で起動させることが出来るので、今回は事前にこの作業を行っておく。
BitLocker暗号化の中断
エクスプローラでシステムドライブを右クリックし、「BitLockerの管理」をクリック。
[保護の中断]をクリック。
中断しても良いか聞かれるので、[はい]をクリック。
すると、瞬時に保護が中断され、以下のような表示に切り替わる。
CPUを交換する
交換作業自体はこれといって面白いこともない。ただ、取り替えるだけ。
Ryzen 3とRyzen 5は、付属のCPUクーラーが同じもの(Wraith Stealth)なので、ひとまずRyzen 3付属のクーラーをそのまま流用した。それにしても、純正のクーラーは取り付けづらいなと改めて思う。
起動すると、POST時に「CPUが変わったので、UEFIのセットアップを起動するか、それともすぐに設定値をデフォルトに戻すか」的なことを聞かれる。私はデフォルトに戻す方を選択。
一度リセットが走るので、手動でUEFIセットアップに入り、設定を交換前の状態に戻して再起動すると、今度はTPMをクリアするか聞かれるので、クリアする方を選択。
BitLockerは保護を中断していたので、回復キーを求められることも無くWindowsは起動する。ちなみに、起動時にWindowsが自動的にBitLockerの保護を再開してくれて、TPMにもキーを書き込んでくれるようだ。BitLockerに関しては、CPU交換後に行う作業は無い。
以下のように、無事CPUの交換は完了。きちんと6コア・12スレッドで動いてくれた。
付属のCPUクーラーでは能力不足
きちんとCPUクーラーが取り付けられているか、確認のためCPUに高負荷をかけてみた結果が以下の通り。
計測には、CPUID HWMonitorを使用。左から、現在の温度/最低温度/最高温度。
無負荷時でも44度、高負荷時(といっても、Cinebench R20を2回実行しただけ)には81度に上昇。
12スレッドをフルに動かすような場面はそうそう無いので、実用上は問題ないのかもしれないが、やはりコアが増えた分、冷却能力不足は否めない。そこで、CPUクーラーを別のものに交換することにした。
CPUクーラーをScythe 超天に交換
今回使用したCPUクーラーは、別件で購入して余っていたScytheの超天(SCCT-1000)。
12cmファンのトップフロー型。以前はCore i7-4770に取り付けて使っていて、静かでよく冷えることは確認済みだった。ソケットAM4にも対応しているので、これで問題ないだろうと。
取り付け金具をIntel用からAMD用に変更する必要があるが、AMD用はただ上から置くだけでネジ止めなども不要なタイプ。すごく簡単。
マザーボードへの取り付けは、マザーボード付属のリテンションにこの金具を引っかける方式。思えば、この方式でCPUクーラーを取り付けるのはかつてPhenom IIを使っていた時以来、ほぼ10年ぶり。
これが結構難しくて、初めのうちは片側だけ先に引っかけてからもう片方にもかけようとしたのだが、どうしても引っかからず。
結局、両側を同時に引っかけるように上から均等に圧をかけたらうまくはまった。
ちなみに、マザーボードをケースに取り付けたままではCPUクーラーの取り付けは不可能だった。ケースにはCorsairのCarbide 100R Silentを使っているが、ケース上部とクーラーの間に数cmしか隙間が無く、リテンションに金具をかける作業をするには狭すぎるためである。
CPUクーラー交換の効果
付属CPUクーラの時と同じく、Cinebench R20を2回実行してみた結果、最大温度は70度まで低下。約10度低く抑えられていることがわかる。
正直もう少し下がるかなと思っていたのだが、まぁこの程度で抑えられていれば問題ない。
CPU交換の効果
ところで、肝心のCPU交換による効果だが、私はゲームなどは全くしないし、動画のエンコードなども滅多に行わないので、実際のところ全く違いは感じていない。
最初にこのPCを組んだときからわかっていたが、ちょっとしたプログラミングとか、文書作成とかの用途であれば、4コア4スレッドでも役不足なくらい。Athlon 200GE程度でも十分事足りるだろう。
完全に自己満足の世界である。
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