ラックマウントサーバに手を出した話

一度はIT業界を離れたはずなのに、再び戻ってきてしまったのが約3年前。

ずっとソフトウェア寄りの仕事をしているのでハードウェアをいじることはほとんどないのだけれど、やはり現場で使われているちゃんとしたサーバー機器というものには興味がある。

特に、デュアルCPUやSASインターフェース、冗長化電源といった商用サーバ特有の仕組みを間近で体感しておきたい。とはいえ日常的に運用する予定はないし、絶対に必要かと言われるとそうではないので今まで手は出さずにいた。

ただ、中古品であれば意外と安く売られているのも事実。1万円以下なんてものも結構あるけれど、そういうのはたいてい1Uの1ソケット、電源も冗長化されておらずメモリも8GBとか、そこらのデスクトップPCと大して変わらないようなローエンドな奴だったりする。

そんな中、とあるショップで見つけたのがこれ。

HPのProLiant DL380p のJUNK品。10年ほど前のモデルなので確かに世代としてはかなり古いものの、8コア16スレッドのCPUを2基、メモリも32GB、電源も冗長化され、ストレージもSASのHDDを2基積んでいる。これで5,600円というのは気軽におもちゃとして買ってしまっても罪悪感がない。しかも仕様欄を見ると以下の記載まである。

4ポートのGbEカードは中古で2,000~3,000円程度で取引されている。仮にサーバ自体はおもちゃにするとしてこのカードは別のマシンに増設して実用的に使うことができそう。そして、FC-HBAなどという一般人が到底触れる機会のないものまでついている。いや、これに関してはついていたところでディスク装置を持っていないので活用はできないのだが。

JUNKの理由には「Intelligent Provisioningが正常に起動しない」と書かれていた。OSインストールと各種ドライバの適用まで自動でやってくれる便利な奴らしいが、遊びで使うくらいならなくてもいい。それにちょっとネットで調べてみるとうまくやれば治すことができそうだった。

購入と物理的な確認

一応仕事でも使うことはあって物自体は見慣れているものの、狭いアパートの一室に置かれているとやはりそれなりにインパクトがある。

2.5インチのSAS HDDが2基。10,000rpm のHDDを所有するのはこれが初めて。

早速中身を見てみる。ラックマウントサーバでも安いものはマザーボードが小さくて中はスカスカだったりするのだけれど、このサーバはそんなことはなく隅まできっちり部品で埋められている。24本のメモリスロットには8GBのRDIMMが4本刺さっている。

せっかくなのでCPUを取り外してみる。ソケットはLGA2011。当時の個人向けCPUだと最上位のCore i7が採用していたソケットで、コスパだけでPCを組んでいる自分には縁のないものだった。これはおそらくこのサーバ特有だと思うが、青色のフレームがCPU側に装着されていて、ソケットのふた側のレールにフレームと一緒に取り付ける仕組みになっている。最近だと、RyzenのThreadripperが似たような仕組みを採用していたと思う。ピン数が多いので破損を防ぐためなのだろう。

Xeon E5-2640 v2 が2基。意外というか、生産国が違う全く異なるロットのものだった。CPUのヒートシンクにも片方がCoolermaster、もう片方がFoxconnと印字されており、もしかするともともと1CPUで導入した後、CPUを増設したのかもしれない。

メンテナンス性を重視したサーバらしく、ヒートシンクの脱着も含め、CPUへのアクセスは完全にツールレスで行えるのが素晴らしい。

PCIEのライザーカードに刺さっていた4ポートのGbEカード。物自体はBroadcomのNetXtreme BCM5719だった。

これは取り外してESXiを動かしている別のマシンに取り付けたところ、問題なく動作した。

QLogicのFC HBA。2基ついていたけれど、これは完全に宝の持ち腐れ。

そのほか、電源は750Wが2基。側面に94%という記載があったので、80PLUS的にはPLATINUM以上の高効率電源のはず。なかなかすごい。メーカーはLITE-ONだった。

起動とJUNK部分の修復

ショップのページには簡易OSで動作確認済みと記載されていた通り、起動自体は問題なくできた。さすがラックマウントサーバらしくファンの音はすさまじいのだが、POSTが終わった後のファンの回転数はPCIEスロットに何かが刺さっているかどうかによって変動する。今回のようにFC HBAやNICが刺さっているとPOST後も回転数があまり下がらないのに対して、全て外してやると相当静かになった。

JUNK理由となっていた「Intelligent Provisioningが正常に起動しない」件は、確かにその通りだった。POST画面でF10キーを押しても一向に起動してこない。同様に、HP Smart Storage Administrator も起動せず。POST画面には「iLO 4 has detected a self-test error.」の出力もある。

ネット上の情報では、iLO4のアップデートをかけて内蔵のFLASHメモリ(NAND)のフォーマットを実行後、リカバリメディアで Intelligent Provisioning をリカバリすれば治るというものがあったが、結果的には不発に終わった。何度FLASHメモリをフォーマットしてもだめ。どうやら物理的な破損のようなのでこうなるとマザーボードの交換が必要らしい。素直にあきらめることにした。

HP Smart Storage Administrator が起動しないとRAIDの構成もできないのではと思ったのだが、Offline HP Array Configuration Utility という別のツールをCDやUSBメモリに作成しておき、そこから起動させて構成することも可能ということが分かったので、そちらで代用することにした。

とりあえずOSインストール

試しにWindows Serverをインストールしていろいろと確認してみる。まずはタスクマネージャのCPUなどを。

16コア32スレッドというと、現行の最新CPUでもCore i7やRyzen 9などの上位モデルでなければ実現できない。

CPUの世代的にはIvy Bridge。第3世代のCore i相当なので、10年・10世代前ということになる。

CPU-Zで簡易的にベンチマークをとった結果は以下の通り。

そして、普段使っている13世代のCore i5-12500Tのベンチマーク結果は以下。

スレッド数が半分以下のCPUと性能的には大差ないという結果。わずか10年の間に、手のひらサイズのクライアントPCが2Uのサーバと同じ性能になったと考えると、隔世の感がある。

それから、10,000rpmのHDDの性能も確認してみる。

SSDに慣れ切った今としては体感でも遅く感じるわけだが、当時の2.5インチHDDでシーケンシャルが200MB/s近いというのはやはり速いし、ランダムアクセスも1MB/s以下が普通だったことを考えると十分速い。

今後の遊び方

未定。せっかくのデュアルCPUなので、NUMA関連の動作の違いとかいろいろ見てみたい部分はある。

ただ、騒音の問題で夜間は使いづらいので日中限定かな…。

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