Windows 10X 使ってみた

先日、Windows 10Xという、デュアルスクリーン端末向けの専用OSに関するニュースを目にした。

Windows 10X Will Have Two File Explorers, And That's A Problem | Digital Trends
Microsoft has is beginning to detail app solutions for the Surface Neo and other Windows 10X devices. It can handle ever...

エミュレーターが公開されていて、暇つぶしにちょっといじってみたので、感想などを。

エミュレーターの準備等

マイクロソフトのWebサイトにエミュレーターの導入についての記載がある。

https://docs.microsoft.com/ja-jp/dual-screen/windows/get-dev-tools

基本的には、Microsoft Storeから「Microsoft Emulator」と「Windows 10X Emulator Image」をインストールすればよい。

ただし、前提条件がいろいろあって、Windows 10 Pro or Enterprise or EducationをInsider Programに参加させている必要があったり、Intelの4コア以上のCPU(現状、AMDではダメ)に8GBのメモリが必要と、ハードウェアもそこそこのパワーが必要。ストレージもSSDが推奨されている。

内部的にHyper-Vを使っているようなので、Windowsの機能としてHyper-Vを有効化する必要もある。

私は、その辺に転がっていたCore i7-4770、16GBメモリのPCを使って動かしてみた。

起動させてみる

エミュレーターを起動すると、こんな画面が立ち上がる。

エミュレーター内の画面解像度は、1440×1920で、表示スケールが200%に設定されているようだ。それが2枚左右に並んだ形。

操作してみると、思ったよりもサクサク動く。

ちなみに、デフォルトの言語は英語となっているが、言語設定から日本語を追加インストールすると、ある程度日本語表示に切り替えることができる(完全ではないが…)。

普通のWindows 10と何が違う?

本当にざっくり触ってみた感想だけれど、超機能限定版のWindows 10といった印象。

タスクバーとスタートメニュー

画面下部にカーソルを合わせる(タブレット的には、タッチorスワイプ?)と、タスクバーが表示されて、少々カラフルになったWindowsロゴをクリックするとスタートメニューが出る。

スタートメニューは、インストールされているアプリのアイコンと検索窓があるだけのシンプルなもの。デフォルトで表示されるアプリは15個までで、それ以外は[すべて表示]をクリックしないと表示されない。一応、並び替えて常に表示される部分に持ってくることはできるが…。

見たところ、カスタマイズできるような要素はほとんどなさそう。

エクスプローラ

海外の記事にも書かれていたが、エクスプローラが専用のもの(UWPアプリ)になっている。

これがまぁひどい出来というか…多分製品版はもっとちゃんとしたものになるのだろうけど、機能がめちゃくちゃ少ない。

まず、表示できるのはホームディレクトリのフォルダだけ。つまり、ここで見えているフォルダ配下のもの以外は触れない。

ファイル操作に関しても、新規フォルダを作成する、既存のファイルを開く、コピーする、名前を変更する、削除する、といった基本的な操作ができるのみ。

詳細表示機能がないので細かいプロパティ項目を表示することはできないし、並び替えもプルダウンから選ばなければいけない。ツリー表示などの機能もなければ、 ZIPファイルの展開なんかもできない。

OneDriveとも統合されていないので、OneDrive上のファイルを開きたいなら別途アプリを入れなければならない。

思うに、Windows 10Xは「ファイルを起点に操作を行う」という使い方を考慮していないのではないか。すべての操作の起点はアプリであり、ファイルはアプリから開かれるものという、スマートフォンやタブレット的な考え方が基本になっていると感じる。

従来のアプリ(非UWPアプリ)の動作

マイクロソフト的には、この手のデバイスではUWPアプリを使ってほしいのだろうけど、従来のアプリケーションがちゃんと動作するのかも気になるところ。

試しに、自作のアプリ(.NETのWindows Formアプリケーション)を動作させてみたが、これは特に問題なく動作した。

メモ帳(notepad.exe)も使ってみたが、これも従来通りのものが起動してくる。

ちなみに、非UWPアプリでファイルを開いたり保存したりする場合は、通常のWindows 10と同様にシステム上の任意のディレクトリにアクセスできるようだ。

この辺はやはり互換性を切り捨てられないWindowsの宿命か。ちぐはぐさが目立つなぁと思う。

あれもないこれもない

探し方が悪いのか、それともエミュレーターゆえの制限なのか、通常のWindows 10に存在するものが全く見つからない。

タスクマネージャーも、コントロールパネルも、デバイスマネージャーも、いったいどこに行ってしまったのだろう。

まとめ

もっといろいろいじってみようかとも思ったが、そもそもの機能が少なく、いじれるところがほとんどなかった。ただ…今までのWindowsと比較してしまうと、明らかに使いづらいというのが、正直な感想。

元々、Surface Neoなど特定のデバイス向けのOSとして開発されているようなので、当然ハードウェアに特化した機能がいくつもあるのだと思う。そういう意味では、OSのみを比較すること自体がナンセンスなのかもしれない。

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