Linuxでソフトウェア(パッケージ)をインストールする場合、たいていはaptやyum、dnf等のコマンドを使う方法が紹介されている。
確かにコマンド操作に慣れている人間にとっては苦も無いことだし、そもそもGUIが起動していないサーバ用途であればそれしか選択肢がない。私自身、コマンド1行で完結するならその方が楽だと思っている。
しかし、ふと思う。世の中には使いやすいGUIを持ったLinuxディストリビューションがたくさんあるのだから、ソフトウェアのインストールという基本的な操作くらい、コマンドを使わずに出来ないものなのかと。
と言うことで、コマンドを一切使わずにLinuxにソフトウェア(パッケージ)をインストールする方法をまとめてみようと思う。
使用する環境
GUIでの操作が行いやすいこと、日本語環境が充実していること、利用人口が多いことを踏まえて、Ubuntu 18.04 LTS (以降、Ubuntuと表記)を使用して検証していく。
使用できるツール
Ubuntuでは、主に以下の二つのツールが利用出来る。
Ubuntu ソフトウェア
AppleでいうApp StoreやWindowsでいうMicrosoft Storeのようなもの。利用者がGUIで操作するようなソフトウェアは、ここからインストール出来る場合が多い。
Synaptics パッケージマネージャ
GUIを持たないソフトウェア(MySQLやApache等のサービスとして動作するソフトウェア)や、よりOSに近い部分(個々のライブラリ、開発言語など)のソフトウェアのインストール・管理に利用出来る。要するに、aptのGUI版。
Synaptics パッケージマネージャのインストール
「Ubuntu ソフトウェア」はUbuntuのインストール直後から使えるが、Synaptic パッケージマネージャは別途インストールが必要なので、ここでインストールしておく。
ちなみに、これが「Ubuntu ソフトウェア」の使用例でもある。
デスクトップ上のDockにある「Ubuntu ソフトウェア」を起動する。
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右上の検索ボタンを押して、検索ボックスに「synaptic」と入力する。検索結果に「Synaptic Package Manager」が出てくるので、これを選択する。
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インストールボタンを押して、インストールを開始する。
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パスワードの入力を求められたら、ログインしているユーザのパスワードを入れて続行する。
インストールが完了したら、[起動]ボタンでSynaptic パッケージマネージャを起動する。
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起動時には認証を要求されるので、ここでもログインユーザのパスワードを入力する。
Synaptic パッケージマネージャを使う
パッケージのアップデート
Synaptic パッケージマネージャで何かインストールする前に、リポジトリのパッケージ情報(更新があるか?新規で追加されたパッケージがあるか?等)を更新するために、[再読込]ボタンを押し、[すべてアップグレード]を押してアップグレードを実行しておく。
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アップデート出来るパッケージがある場合は、以下のような画面が表示されるので、[マーク]をクリックして続行する。

最後に、[適用]ボタンを押して、アップデートを適用する。

最終確認が出るので、[Apply]を押して続行する。

「変更を適用しました」という画面が出れば、アップデート完了。
ちなみに、ここまでの操作はコマンドで言うところの「sudo apt update」「sudo apt upgrade」に他ならない。
パッケージのインストール
ここでは、コマンドでインストールする方法が紹介されていることが多い、WebサーバのApacheをインストールしてみる。
Synaptic パッケージマネージャを起動したら、右側のメニューから「ワールドワイドウェブ」を選択し、一覧から「apache2」を選択する。
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「apache2」を右クリックすると、「インストール指定」という項目があるので、これをクリックする。
Apacheをインストールするために必要な、依存関係のある他のパッケージが表示されるので、[マーク]をクリックして続行する。

最後に、[適用]ボタンを押すと、確認画面が表示されるので、[Apply]をクリックすれば、インストールが開始される。

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「変更を適用しました」という画面が出れば、Apacheのインストールは完了。
実際にインストールされてWebサーバが稼働しているかは、ブラウザにlocalhostのアドレスを入れてみれば確認できる。
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ここまでの操作は、コマンドで言うところの「sudo apt install apache2」に相当する。
コマンドを使わなくてもソフトウェアのインストールは出来ます
このように、パッケージのインストールはコマンドを打たなくても行うことが出来る。 aptでインストール出来るものはSynaptic パッケージマネージャでもインストール出来ると考えて良い。
「コマンド打てば一発じゃないか」と言われればその通りなのだが、Linuxを使い始めたばかりの人にとっては、こういう選択肢もあるという情報も必要なんじゃないかと思う。
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